ステージ4の肝臓がんは治る?

このサイトは 医療法人社団 愈光会 Clinic C4をスポンサーとして、Zenken株式会社が運営しています。

Topic
もくじ

ステージ4の肝臓がんは、転移を伴う進行期の状態であり、治療方針は初期がんとは大きく異なります。
一般に治癒を目指すことは難しいとされますが、薬物療法や放射線治療の進歩により、病勢のコントロールや症状緩和を目的とした治療が行われています。

このページでは、ステージ4の肝臓がんの生存率の考え方、治療の基本、転移がある場合の治療方針について、整理してお伝えします。

ステージ4の肝臓がんが治る
可能性はあるのか

ステージ4の肝臓がんは、がんが肝臓内で広がっている、または他の臓器へ転移している状態で、治癒(完治)をめざす治療が難しい段階とされています。国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果によると、ステージ4の肝がんの5年実測生存率は5.1%、10年実測生存率は2.2%と報告されています。また、肝細胞がんでは5年実測生存率は4.2%、10年実測生存率は1.6%と報告されています。

参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより肝臓癌/肝細胞癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

肝臓がんは、がんそのものの進行だけではなく、背景にある肝機能の状態も治療方針に大きく影響します。
そのため、治療の目的は病勢を抑えることに加え、肝機能をできるだけ保ちながら生活の質(QOL)を維持することに置かれます。
近年は薬物療法や局所治療の選択肢が広がり、病状や体調に応じて治療を継続できるケースも多くなりました。その治療方針は、がんの広がりや肝機能、全身状態を踏まえて総合的に判断されます。

ステージ4の肝臓がんに対して
行われる治療の種類

薬物療法

ステージ4の肝臓がんでは、全身に作用する薬物療法が治療の中心となり、分子標的薬や免疫療法薬など、病状や体調に応じて薬剤が選択されます。これらの治療は、がんの進行を抑えることを目的として行われ、治療効果や副作用の程度を確認しながら継続可否が判断されます。

肝動脈化学塞栓療法(TACE)

肝動脈化学塞栓療法(TACE)は、がんに栄養を送る肝動脈に抗がん剤を注入し、同時に血流を遮断する治療です。
肝臓内にがんが多発している場合などに検討されますが、肝機能への影響が大きくなる可能性もあり、肝機能が保たれているかどうかを慎重に評価した上で適応が判断されます。

局所治療(ラジオ波焼灼療法など)

肝臓内の限られた病変に対しては、ラジオ波焼灼療法などの局所治療が検討される場合があります。
がんのある部位を直接焼灼することで腫瘍を制御する方法ですが、ステージ4であっても病変が限局している場合や、症状の原因となっている病変がある場合に選択されます。

放射線治療

放射線治療は、肝臓内のがんや転移による痛み、圧迫症状を和らげる目的で行われ、周囲の正常な肝組織への影響を考慮しながら照射範囲や線量が調整されます。薬物療法と併用されることもあり、局所の症状を抑えることで生活の質(QOL)の維持を目指します。

緩和ケア

ステージ4の肝臓がんでは、治療の内容にかかわらず、早期から緩和ケアを取り入れることが重要です。
痛みや倦怠感、食欲不振、不安などの症状に対する適切な対応によって治療を続けやすくなります。

ステージ4の肝臓がんが
転移しやすい場所

ステージ4の肝臓がんは、肝臓内に多発病変がみられるほか、肝臓の外へ転移も確認されている状態です。
転移する場所によって症状や治療の考え方が異なるため、転移部位を正確に把握することが治療方針を考える上で重要です。

肝臓内転移

肝臓がんでは、肝臓内でがんが広がる「肝内転移」が比較的多くみられます
肝臓内に複数の腫瘍が形成されることで、肝機能の低下が進行しやすくなります。倦怠感や食欲低下、黄疸、腹水などの症状が出現し、病状の進行とともに日常生活への影響も大きくなります。
肝内転移が主体の場合でも、肝機能を考慮しながら薬物療法や局所治療を組み合わせた対応が検討されます。

血行性転移

肝臓は血流が豊富なため、がんが血液の流れを通じて他の臓器へ転移することが多くみられます。主な転移先としては、肺、骨、副腎などが挙げられます。

  • 肺への転移…咳や息切れ、胸部の違和感などがみられます。
  • 骨への転移…腰や背中、関節の痛みが出やすく、進行すると骨折のリスクが高まります。
  • 副腎への転移…自覚症状が乏しいこともありますが、画像検査で発見される場合があります。

こうした血行性転移がある場合、治療の中心は全身に作用する薬物療法となり、症状が強い部位に対しては放射線治療の併用も検討されます。

リンパ行性転移

リンパ行性転移とは、がん細胞がリンパ管を通ってリンパ節へ広がる転移を指します。
肝臓がんでは肝門部や腹部、縦隔などのリンパ節に転移がみられます。

リンパ節が大きくなると、腹部の違和感や圧迫感が生じます。進行すると周囲の臓器や血管を圧迫し、次第に症状が強くなっていきます。
リンパ行性転移がある場合も全身治療を基本としながら、症状に応じて局所治療を組み合わせることが検討されます。

ステージ4の肝臓がんでも局所を
狙った治療は検討できる

ステージ4の肝臓がんは全身に作用する薬物療法が治療の中心となりますが、転移や病変が限られている場合や、特定の病変が症状の原因となっている場合は、局所を狙った治療も検討されます。
代表的な局所治療が放射線治療で、腫瘍のある部位に放射線を照射し、がん細胞の増殖を抑えることを目指します。治療によって痛みや圧迫症状、出血など、生活に影響を及ぼす症状の軽減が期待できます。

近年では、画像診断技術の進歩によって高精度な放射線治療が可能となっています。
「トモセラピー」はそのひとつで、CT画像を用いて腫瘍の位置や形状を詳細に確認しながら放射線を照射する治療法です。複数方向から放射線を当てることで周囲の正常な肝組織への影響を抑えつつ、腫瘍に十分な線量を集中させるのが特徴です。特に肝臓は放射線の影響を受けやすい臓器であり、照射範囲や線量は慎重に計画されます。

こうした局所治療は薬物療法と並行して行われることもあり、全身治療を続けながら症状の改善や局所制御を目指します。
治療が適しているかどうかは、がんの広がりや肝機能、全身状態などを踏まえて総合的に判断されます。

相談先の選び方

ステージ4の肝臓がんでは、進行度だけでなく肝機能の状態が治療の選択に大きく影響するため、専門的な診療体制が整った医療機関に相談することが重要です。

  • 肝臓がんの診療経験が豊富で、薬物療法や局所治療、緩和ケアまで含めた対応が可能か
    肝機能の評価を含めて治療方針を検討している医療機関であることは、絶対条件と言っても過言ではありません。
  • 画像検査や血液検査の結果をもとに、がんの広がりと肝機能の両面から丁寧な説明が行われているか
    治療のタイミングや内容によって肝機能が変化するため、経過を見ながら治療方針を柔軟に見直せる体制が求められます。
  • 通院のしやすさや医療者と相談しやすい環境であるか
    治療が長期に及ぶ可能性を考えると、治療と生活を無理なく両立できる相談先を選ぶことが、治療を続ける上での大きな安心につながります。

治療方針に迷いがある場合には、セカンドオピニオンを活用することで、別の視点から治療の考え方を整理できることもあります。

Summary

ステージ4の肝臓がんという治癒をめざすことが難しい段階であっても、薬物療法を中心とした治療や症状に応じた局所治療、緩和ケアを組み合わせることで、生活の質(QOL)を保ちながら治療を続けられる可能性は十分にあります。肝機能の状態が治療に大きく影響するため、治療の目標や優先したいことは病状や体調の変化に応じて見直されていきます。

医療者と十分に相談しながら、ご本人の思いを尊重し、その時点で最適と考えられる治療を一緒に選んでいくことが、ご本人にとってもご家族にとっても大切な支えになるでしょう。

監修
Sponsored by
医療法人社団
愈光会 Clinic C4
医療法人社団 愈光会 Clinic C4

医療法人社団 愈光会 Clinic C4では、がんの進行度や転移の状況に関わらず、目に見える病変がある限り、医学的根拠に基づいた放射線治療の可能性を追求しています。
ご家族だけで答えを探し続けるのではなく、標準治療での治療が難しいがん治療のもうひとつの選択肢としてClinic C4に相談してみてください。

医療法人社団 愈光会 Clinic C4
セカンドオピニオンも
お気軽にご相談ください

当院では、標準治療で「打つ手がない」と告げられた方や身体への負担を抑えたい方の想いに寄り添い、身体に優しく、効果を追求したがん治療に最善を尽くします
もし迷われているなら、まずは今のご状況を詳しくお聞かせください。メールや遠隔診療でも柔軟に対応いたします。

略歴
  • 1980年 灘中学校、灘高等学校を経て東京大学医学部医学科卒業
  • 1980年6月 東京大学医学部附属病院放射線科研修医
  • 1981年1月 東京大学医学部附属病院放射線科助手
  • 1985年7月 都立豊島病院放射線科医員
  • 1987年4月 東京大学医学部附属病院分院放射線科講師病棟医長
  • 1988年7月 同上 英国 Royal Cancer Institute留学のため休職
  • 1989年6月 同上 復職
  • 1991年5月 東京大学医学部附属病院放射線科講師病棟医長
  • 1991年5月 放射線医学総合研究所特別研究員(重粒子線)
  • 1992年4月 東京大学医科学研究所非常勤講師
  • 1992年11月 総理府技官(放射線医学総合研究所臨床障害部)
  • 1995年7月 東京大学医学部放射線医学教室助教授
  • 2002年4月 国際医療福祉大学保健学部放射線・情報科学科教授
  • 2008年 医療社団法人 愈光会 Clinic C4設立