ステージ4の子宮がん/卵巣がんは治る?

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もくじ

子宮がんや卵巣がんのステージ4であると告げられたとき、多くの方が強い不安や戸惑いを抱えます。
「この先どうなるのか」「治療は続けられるのか」と悩むのは、ご本人だけでなくご家族にとっても自然なことです。
完治が難しいとされる段階であっても、近年は治療の進歩により、進行を抑えながら症状や生活の質に配慮した治療が検討されています。

このページでは、子宮がんや卵巣がんのステージ4の治療の考え方と選択の視点を分かりやすく解説します。

ステージ4の子宮がん/
卵巣がんが治る可能性はあるのか

ステージ4の子宮がん/卵巣がんは、がんが骨盤外や遠隔臓器へ広がっている状態で、完治をめざす治療は困難とされます。国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果によると、ステージ4の子宮頸がんは5年実測生存率24.7%、10年実測生存率15.3%、子宮体がんは5年実測生存率20.8%、10年実測生存率17.3%と報告されています。

また、卵巣がんの5年実測生存率は28.5%、10年実測生存率は14.3%と報告されています。

参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより子宮頸癌/子宮体癌/卵巣癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

近年は治療の進歩により、薬物療法や局所治療を組み合わせて症状をコントロールし、生活の質(QOL)を保ちながら治療を継続できるケースも増えています。病状や体調に応じた治療を選択することで、新たな転移の出現を抑え、より長く生活を続けられる可能性も広がっています。

ステージ4の子宮がん/
卵巣がんに対して行われる
治療の種類

化学療法(抗がん剤治療)

ステージ4の子宮がん/卵巣がんでは、抗がん剤による化学療法が治療の中心になります。
複数の薬剤を組み合わせて使用することが多く、治療効果や副作用の程度を確認しながら内容が調整されます。

分子標的薬・免疫療法

一部の子宮がんや卵巣がんでは、がん細胞の特定の分子を標的とした分子標的薬や、免疫の働きを利用した治療(免疫チェックポイント阻害剤)が選択肢となることがあります。遺伝子検査や病理検査の結果を踏まえて適応が判断され、化学療法と併用されるケースもみられます。

手術が検討されるケース

ステージ4では、根治を目的とした手術は原則として行われません。
ただし、腫瘍による出血や腸閉塞などの症状が強い場合には、症状の緩和を目的とした手術が検討されるケースもあります。

放射線治療

放射線治療は、骨盤内の腫瘍や転移による痛み、出血、圧迫症状を和らげる目的で行われます。
全身治療と並行して行われることも多く、症状の軽減と生活の質(QOL)の維持につながる治療として位置づけられます。

緩和ケア

ステージ4の子宮がん/卵巣がんでは、治療の内容に関わらず、早期から緩和ケアを取り入れることが重要です。
痛みや倦怠感、不安、食欲低下などの症状に対して適切な対応を行うことで治療を続けやすくなります。

ステージ4の子宮がん/卵巣がんが転移しやすい場所

ステージ4の子宮がん/卵巣がんでは、転移の場所によって症状や治療の考え方が大きく変わるため、転移部位を正確に把握することが治療方針を考える上で重要です。

骨盤内・周辺臓器への浸潤

子宮頸がんや子宮体がんは、まず骨盤内で進行し、膀胱や直腸などの周辺臓器へ浸潤していくのが多いパターンです。
排尿障害や排便時の違和感、出血などの症状が現れる場合もあり、生活への影響が大きくなります。
こうした症状に対しては、薬物療法を基本としながら、症状緩和を目的とした放射線治療も検討されます。

腹膜への転移(腹膜播種)

卵巣がんで特に多くみられるのが腹膜播種です。
がん細胞が腹腔内に広がることで、腹水の貯留や腹部膨満感、食事量の低下などが生じます。
腹膜播種がある場合は薬物療法が治療の中心になりますが、腹水等による症状に対しては支持療法を併用し、生活の質を保つことが大切です。

リンパ節への転移

子宮がんや卵巣がんでは、骨盤内や腹部、縦隔などのリンパ節に転移がみられます。
リンパ節が腫大すると周囲の臓器や血管を圧迫し、下肢のむくみや痛み、違和感が生じてきます。
リンパ節転移がある場合も全身治療を基本としつつ、症状の原因となる部位に局所治療を加えることが検討されます。

肺や肝臓への転移

進行すると、肺や肝臓などの遠隔臓器に転移がみられることもあります。
肺転移では咳や息切れ、肝転移では倦怠感や食欲低下などが現れますが、無症状のまま画像検査で見つかることも少なくありません。
これらの転移がある場合、治療の中心は全身に作用する薬物療法となり、症状が強い場合には局所治療が併用されます。

ステージ4の子宮がん/
卵巣がんでも局所を狙った
治療は検討できる

ステージ4の子宮がん/卵巣がんでは、全身に作用する薬物療法が治療の中心になりますが、転移や病変が限られている場合や、特定の病変が症状の原因となっている場合は局所を狙った治療も検討されます。
その代表が放射線治療です。放射線治療は、腫瘍のある部位に放射線を照射し、がん細胞の増殖を抑えることが目的です。骨盤内の腫瘍による痛みや出血、圧迫症状など、日常生活に影響を及ぼす症状の軽減が期待できます。

近年は画像診断技術の進歩により、高精度な放射線治療が可能となっています。
トモセラピー」もそのひとつで、CT画像を用いて腫瘍の位置や形状を詳細に把握しながら放射線を照射する治療法です。
複数の方向から放射線を当てることで周囲の正常な臓器への影響を抑えつつ、標的とする病変に十分な線量を集中できるのが特徴です。子宮がんや卵巣がんが進行し、骨盤内やリンパ節など形状が複雑な部位に病変がある場合でも、照射計画を工夫することで治療の検討が可能です。

こうした局所治療は薬物療法と並行して行われることも多く、全身治療を続けながら症状の改善や局所制御を目指します。治療の適応は、がんの広がりや全身状態、これまでの治療経過を踏まえて総合的に判断されます。

相談先の選び方

ステージ4の子宮がん/卵巣がんは治療が長期にわたることが多いため、継続的に相談できる医療機関を選ぶことが重要です。
重視したいのは、次のポイントです。

  • 婦人科がんの診療経験が豊富で、化学療法や放射線治療、緩和ケアまで含めた対応が可能か
    進行がんの治療経験が豊富な医療機関では、病状や治療への反応に応じた現実的な治療方針を提示してくれるはずです。
  • 検査結果や治療の選択肢について、わかりやすく丁寧な説明が行われているか
    治療の内容や副作用が生活に与える影響も大きいため、疑問や不安をその都度相談できる体制が整っているかを確認しておけば安心です。
  • 通院のしやすさや、治療と生活を両立できる支援体制
    無理なく治療を続けられる相談先を選ぶことが、ご本人にとってもご家族にとっても大きな支えになるでしょう。

治療方針に迷いがある場合には、セカンドオピニオンを活用して別の視点から治療の考え方を整理するのも一手です。

Summary

ステージ4の子宮がん/卵巣がんという完治を目指すことが難しい段階であっても、治療の進歩によって症状をコントロールしながら生活の質を保ち、治療を継続できる場合も多くあります。

治療の目標や大切にしたいことは、病状や体調の変化によって変わっていきます。医療者と十分に相談しながら、ご本人の思いを尊重し、その時点で無理のない治療や支え方を一緒に選んでいくことが、ご本人にとってもご家族にとっても大きな安心感につながります。

▼詳細な情報は、国立がん研究センターのがん情報サービスも参照ください

監修
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医療法人社団 愈光会 Clinic C4では、がんの進行度や転移の状況に関わらず、目に見える病変がある限り、医学的根拠に基づいた放射線治療の可能性を追求しています。
ご家族だけで答えを探し続けるのではなく、標準治療での治療が難しいがん治療のもうひとつの選択肢としてClinic C4に相談してみてください。

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略歴
  • 1980年 灘中学校、灘高等学校を経て東京大学医学部医学科卒業
  • 1980年6月 東京大学医学部附属病院放射線科研修医
  • 1981年1月 東京大学医学部附属病院放射線科助手
  • 1985年7月 都立豊島病院放射線科医員
  • 1987年4月 東京大学医学部附属病院分院放射線科講師病棟医長
  • 1988年7月 同上 英国 Royal Cancer Institute留学のため休職
  • 1989年6月 同上 復職
  • 1991年5月 東京大学医学部附属病院放射線科講師病棟医長
  • 1991年5月 放射線医学総合研究所特別研究員(重粒子線)
  • 1992年4月 東京大学医科学研究所非常勤講師
  • 1992年11月 総理府技官(放射線医学総合研究所臨床障害部)
  • 1995年7月 東京大学医学部放射線医学教室助教授
  • 2002年4月 国際医療福祉大学保健学部放射線・情報科学科教授
  • 2008年 医療社団法人 愈光会 Clinic C4設立