ステージ4でも放射線治療で治る可能性はある?

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放射線治療は、がん治療の代表的な選択肢の一つですが、「ステージ4」と診断された場合は「受けられない」「放射線治療はあくまで局所的なものだから、ステージ4では意味がないのでは?」といった印象を持たれがちです。

しかし実際には、放射線治療がどのような目的で、どのような条件下で検討されるのかを整理して理解する必要があります。

このページでは、がんの末期・再発・多発転移などで「手立てがない」とされた方に対しても治療を実践されてきたClinic C4(シーフォー)青木院長の見解をもとに、ステージ4における放射線治療の位置づけと、治療の可能性の考え方についてお伝えします。

ステージ4のがんに
放射線治療は受けられるのか

ステージ4のがんで標準治療では受けられないと聞きました。
放射線治療は受けられますか?
全身状態がよければ、放射線治療によって長期生存を目指す道はあります
青木幸昌院長
Clinic C4
青木幸昌院長

がんステージ4における標準治療の基本は「抗がん剤」か「緩和ケア(BSC)」です。他の持病があったり、体力が低下していたりして抗がん剤が使えない場合、主治医から「もう行える治療法はない」と言われてしまうケースが少なくありません。

一般的な病院での放射線治療は、がんが複数の場所に散らばっている(多発病変がある)場合には適応外とされるのが通常です。

しかし、そのような状況であっても、あきらめる必要はありません。
全身の状態が良好であれば、「すべての病変を狙い撃って抑え込む(局所制御)」ことと、「再発・再燃を防ぐ」ことを目的とした治療の選択肢があります。
目に見える全てのがん病変を制御することで、長期生存を目指せる道は残されているのです。

ステージ4のがんに対する
放射線治療とは

ステージ4のがんに対する放射線治療の適用可否は、がんの種類、転移部位、患者さんの全身状態、および治療の目的(根治を目指すか、症状緩和を目指すか)によって大きく異なります。一般的に、ステージ4では根治が難しいことが多いですが、放射線治療は重要な治療選択肢の一つです。

ステージ4の放射線治療の目的

ステージ4における放射線治療には、主に3つの目的があります。

局所制御(根治的照射)

先端技術(トモセラピーなど)を用い、原発巣と転移巣のすべてを叩くことで、がんの進行を抑え込み長期生存を目指します

病状進行の抑制

他の治療法(化学療法、免疫療法など)と組み合わせて、がんの進行を抑えることを目指します。

症状緩和(緩和的照射)

がんによる痛み(特に骨転移によるもの)、出血、神経の圧迫による麻痺などの症状を和らげ、生活の質(QOL)を向上させることを目的とします。

治療の可否の判断

放射線治療が可能かどうかは、主に次のポイントを総合的に評価したうえで判断されます。

  • 転移の数や部位
  • 全身状態(体力・臓器機能)
  • これまでの治療歴
  • 放射線による副作用リスク

従来の放射線治療では「照射範囲が広すぎると副作用が強い」などの理由で、多発転移への照射は困難でした。
しかし、トモセラピーなどの高度なピンポイント照射が可能な設備を備えた施設では、広範囲かつ多発的な病変でも治療可能と判断される場合があります

がん種別|ステージ4における放射線治療の考え方

がんの種類によって放射線治療の役割は異なります。

肺がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 肺の中での広がりだけでなく、脳、骨、肝臓、副腎などへ転移が見られる状態です。
  • 生存率:ステージ4の肺がんの5年実測生存率は約8%、10年実測生存率は約2.3%という数値が報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより肺癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬が主軸ですが、脳転移や骨転移の痛みに対し放射線が多用されます。
先端医療では、肺の原発巣と遠隔転移巣を同時に照射するケースもあります。遠隔転移があるステージ4では薬物療法が中心ですが、骨転移による痛みや脳転移による症状がある場合など、症状緩和目的で放射線治療が検討されます。

乳がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 骨、肺、肝臓、脳などへの転移が見られます。
  • 生存率:ステージ4乳がんの5年生実測生存率は39.2%、10年実測生存率は16.1%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより乳癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

ホルモン療法や薬物療法が中心ですが、乳房の腫瘍からの出血・痛み対策や、骨転移の骨折予防として放射線治療が非常に有効です。
他の治療法と組み合わせて行われ、症状緩和やがん細胞の抑制を目的に放射線が照射されることがあります。

胃がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 腹膜播種や、肝臓、リンパ節への転移が見られる状態です。
  • 生存率: ステージ4胃がんの5年実測生存率は6.2%、10年実測生存率は3.4%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより胃癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

基本は薬物療法です。放射線は、胃からの出血を止める場合や、特定のリンパ節転移による痛みの緩和などに検討されます。
消化器系のがんでは薬物療法が治療の中心となることが多いですが、転移部位の症状緩和のために放射線治療が用いられることがあります。

肝臓がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 肝臓内の大きな広がりや、肺、骨への転移、血管への侵入が見られます。
  • 生存率: ステージ4の肝がんの5年実測生存率は5.1%、10年実測生存率は2.2%と報告されています。また、肝細胞がんでは5年実測生存率は4.2%、10年実測生存率は1.6%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより肝臓癌/肝細胞癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

以前は放射線に弱い臓器とされていましたが、現在はピンポイント照射技術により、肝臓内の腫瘍や門脈侵入部への照射が行われるようになっています。消化器系のがんでは薬物療法が治療の中心となることが多いですが、転移部位の症状緩和のために放射線治療が用いられることがあります。

大腸がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 肝臓、肺、腹膜、遠くのリンパ節への転移が見られます。
  • 生存率: ステージ4の大腸がんの5年実測生存率は17.2%、10年実測生存率は10.2%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより大腸癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

骨盤内の再発抑制や、脳・骨への転移巣に対して放射線が検討されます。
肝転移などは切除が優先されますが、手術困難な場合に放射線が選択肢に入ることもあります。消化器系のがんでは薬物療法が治療の中心となることが多いですが、転移部位の症状緩和のために放射線治療が用いられることがあります。

前立腺がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 多くの場合は骨(骨盤や脊椎)や、遠くのリンパ節へ転移しています。
  • 生存率: ステージ4の前立腺がんの5年実測生存率は51.2%、10年実測生存率は27.9%と報告されており、他のがんと比べると10年後の生存率は比較的高めです。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより前立腺癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

ホルモン療法が非常に良く効きます。放射線は、骨転移の痛み緩和において第一選択の一つとなります。
他のがんに比べて進行が緩やかな場合が多く、ステージ4でも5年生存率が比較的良好で、放射線治療を含む様々な治療選択肢があります。

子宮がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 膀胱や直腸への浸潤、または肺、肝臓、骨への遠隔転移が見られます。
  • 生存率: ステージ4の子宮頸がんは5年実測生存率24.7%、10年実測生存率15.3%、子宮体がんは5年実測生存率20.8%、10年実測生存率17.3%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより子宮頸癌/子宮体癌で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

抗がん剤を中心とした全身治療が行われます。また、局所の出血や痛みをコントロールするために放射線治療が選ばれるケースがあります。

卵巣がんステージ4

  • ステージ4の特徴: 腹膜播種に加え、胸水が溜まったり、肺や肝臓の内部に転移が見られたりします。
  • 生存率: ステージ4の卵巣がんの5年実測生存率は28.5%、10年実測生存率は14.3%と報告されています。
参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより卵巣癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

放射線治療の適用

抗がん剤への感受性が高いため、薬物療法が中心です。再発時や特定の転移巣に対して、補助的に放射線治療を検討することもあります。

最終的な治療の可否判断は、専門医による詳細な診断に基づいて決定されます。
患者さんの全身状態(30分間横になれるかなど)や、他の治療法との兼ね合いも考慮されます。
ステージ4のがん治療では、個々の状況に応じてより適切な治療計画を立てることが不可欠ですので、複数の専門医の意見を聞く(セカンドオピニオン)ことも有効です。

Summary
放射線治療の目的は治すことだけではありませんが、長期生存を目指せるケースもあります

ステージ4のがんであっても、放射線治療がまったく行えないわけではありません。
ただし、その目的は「必ず治すこと」だけではなく、症状の軽減、病変の制御、再発(再燃)を抑えることにあります。治療の可否は、がんの種類や広がり方だけでなく、ご本人の全身状態を踏まえて慎重に判断されます。

一つの説明だけで結論を急がず、放射線治療がどのような目的で検討されるのかを理解したうえで、ご本人とご家族が納得できる治療方針を探していくことが大切です。

監修
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愈光会 Clinic C4
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医療法人社団 愈光会 Clinic C4では、がんの進行度や転移の状況に関わらず、目に見える病変がある限り、医学的根拠に基づいた放射線治療の可能性を追求しています。
ご家族だけで答えを探し続けるのではなく、標準治療での治療が難しいがん治療のもうひとつの選択肢としてClinic C4に相談してみてください。

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略歴
  • 1980年 灘中学校、灘高等学校を経て東京大学医学部医学科卒業
  • 1980年6月 東京大学医学部附属病院放射線科研修医
  • 1981年1月 東京大学医学部附属病院放射線科助手
  • 1985年7月 都立豊島病院放射線科医員
  • 1987年4月 東京大学医学部附属病院分院放射線科講師病棟医長
  • 1988年7月 同上 英国 Royal Cancer Institute留学のため休職
  • 1989年6月 同上 復職
  • 1991年5月 東京大学医学部附属病院放射線科講師病棟医長
  • 1991年5月 放射線医学総合研究所特別研究員(重粒子線)
  • 1992年4月 東京大学医科学研究所非常勤講師
  • 1992年11月 総理府技官(放射線医学総合研究所臨床障害部)
  • 1995年7月 東京大学医学部放射線医学教室助教授
  • 2002年4月 国際医療福祉大学保健学部放射線・情報科学科教授
  • 2008年 医療社団法人 愈光会 Clinic C4設立