トモセラピーとガンマナイフの違い

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もくじ

トモセラピーとガンマナイフはいずれも放射線治療に用いられる装置ですが、得意とする治療や照射できる範囲、費用などに違いがあります。
このページではそれぞれの特徴を比較し、進行がんや転移がある場合の治療選択の考え方を分かりやすく整理してお伝えします。

トモセラピーとガンマナイフの
違いを医師にお聞きしました

放射線治療にはさまざまな装置がありますが、実際にどのような違いがあるのかは分かりにくいものです。
そこでまず、当メディア監修のClinic C4院長の青木医師に、ガンマナイフとトモセラピーの違いについてお聞きしました。

ガンマナイフとトモセラピーの違いを教えてください。
1回の照射で複数個所や広範囲を治療できるか否か
青木幸昌院長
Clinic C4
青木幸昌院長

ガンマナイフは、γ(ガンマ)線を用いた頭部専用の定位放射線治療装置の名称です。サイバーナイフ同様に、1か所の病変に対し立体的に収束する放射線束により治療することで線量集中度を極度に高めることが可能であることが特徴となっています。

一方、トモセラピーは身体の全方向から線束を投与でき、1回の治療で複数個所の強度変調照射が可能。強度変調と画像誘導が高度に自動化され、的確な強度変調照射が、リアルタイムの画像照合下に実施できます。

ガンマナイフはどんな治療ができますか?
青木幸昌院長
Clinic C4
青木幸昌院長

ガンマナイフでは、対象となる病変は頭蓋内の腫瘤に限られます。
頭部をフレームに固定して照射する必要があります。

ガンマナイフでは治療が難しい場合でも、トモセラピーで治療できる理由は?
治療時間や正常組織へのリスクを解決、頭蓋内以外の複数臓器の多発転移にも容易に治療可能です
青木幸昌院長
Clinic C4
青木幸昌院長

ガンマナイフは、対象となる病変に対し1つの線束中心(アイソセンター)を設定する必要があります。そのためもし複数個所の治療を行うとしたらその病変毎にアイソセンターを設定する必要があり、治療部位が増えることに膨大な治療時間が必要となり現実的ではなくなります。また各病変の線量集中性は高いものの異なる病変との相互関係を統合して最適化していないため、正常組織に想定していない高被曝域が生じるリスクがあります。

トモセラピーでは自動化された最適化アルゴリズムにより、このような問題やリスクが解決されており、複数臓器の多発転移に対しても容易に治療が可能となっています。

トモセラピーとガンマナイフの
比較一覧

トモセラピーとガンマナイフはいずれも高精度な放射線治療ですが、治療対象となる部位や照射の考え方に大きな違いがあります。
主な違いをまとめました。

トモセラピー ガンマナイフ
領域照射 腫瘍の形や広がりに合わせて、特定の領域全体に線量を調整しながら照射する治療に適している 頭蓋内の限局した病変に対して、ピンポイントで高線量を集中させる治療が中心
長体軸照射 頭から足方向まで長い範囲を継ぎ目なく連続して照射することが可能 頭部専用の治療装置であり、体軸方向に広い範囲を照射する治療には対応できない
定位照射 複雑な形状の腫瘍に対しても、線量を細かく調整しながら照射可能 定位放射線治療に特化した装置で、病変の位置が明確な場合に高精度な照射を行う
複数病変への対応 複数の転移がある場合でも、それぞれの病変に応じて線量を調整しながら治療計画を立てやすい 原則として限られた数の脳病変を対象とした治療が中心
IMRT(強度変調放射線治療) IMRTを前提として設計された装置であり、放射線の強さを複雑に変調しながら照射可能 IMRTという考え方ではなく、多数の放射線を一点に集中させることで線量分布をつくる
費用面の違い 自由診療で行われることが多く、治療回数や照射範囲によって費用が異なる 保険診療として実施されるが、適応条件が限定される

このように、両者は治療の対象となる部位や目的が大きく異なります。どちらが適しているかは、がんの広がり方や治療の目的を踏まえ、専門医と相談しながら判断することが重要です。

そもそも放射線治療とは

放射線治療とは、高エネルギーの放射線をがんのある部位に照射し、がん細胞を死滅させたり増殖を抑えたりする治療法です。身体にメスを入れる必要がないため、手術が難しい場合や身体の負担を抑えたい場合にも選択されます。

放射線治療は、がんの根治を目的とするだけでなく、痛みや圧迫、出血などの症状を和らげる目的でも用いられます。そのため、再発や転移がある進行がんでも治療の選択肢となる場合が多くあります。

ガンマナイフとは

ガンマナイフとは、γ(ガンマ)線を用いた頭部専用の定位放射線治療装置の名称です。多数の放射線を一点に集中させることで病変部に高い線量を与え、周囲の正常な脳組織への影響を抑えることを目的としています。開頭手術を行わずに治療できるため、身体への負担が比較的少ない治療法とされています。

ガンマナイフは主に脳腫瘍や脳転移、脳動静脈奇形など、頭蓋内に限局した病変を対象とした治療に用いられます。病変の位置や大きさが明確で、ピンポイントに照射できるケースに適しており、短期間で治療が完了する場合もあります。手術が難しい部位にある病変や、高齢や全身状態の理由で外科的治療が難しい場合に選択されることもあります。

頭部専用の治療装置なので、体幹部や全身に広がるがん、複数の転移があるケースには適応がありません。また、病変の数や大きさによっては治療の対象外となることがあります。治療は保険診療として行われますが、適応の可否については画像検査などを踏まえた専門医の判断が必要です。

トモセラピーとは

放射線治療に用いられる装置の名称であり、強度変調放射線治療(IMRT)を行うために開発された高精度放射線治療装置のことです。
放射線量を細かく調整しながら照射することで、腫瘍の形に合わせて線量を集中させ、周囲の正常な臓器への影響を抑えるのがIMRTの優れた点ですが、トモセラピーは装置にCT撮影機能が組み込まれており、照射ごとに腫瘍の位置を確認、補正しながら治療できるのが大きな特徴です。再発がんや転移がん、身体の深い位置にある腫瘍など、わずかな位置のずれが治療効果に影響しやすいケースにも対応しやすくなります。

比較的広い範囲や複雑な形状の腫瘍にも線量を調整しながら照射できるため、複数の病変がある場合や、重要な臓器の近くに腫瘍がある場合も治療の検討が可能です。
ただし、すべてのがんや状態に適しているわけではなく、がんの種類や広がり方、全身状態によっては他の治療が優先される場合もあります。

トモセラピーの特徴まとめ

  • 複数のがん病巣を同時に治療することができる
  • がん病巣が体内のどの位置にあるかを正確に把握できるため、がん病巣へ的確に集中照射できる
  • 治療による痛みや出血はなく、正常な組織への被曝を抑えられるため副作用は少ない
  • 1回の照射時間は通常30分程度で、通院で治療できる

トモセラピーは自由診療で行われるケースが多く、治療費が高額になる点や、放射線治療に伴う副作用の可能性については、事前に十分な説明を受けた上で判断することが重要です。

Clinic C4のトモセラピー

Clinic C4のトモセラピー

全身の状態を見ながら
無理のない治療計画を大切にしています

当メディア監修のClinic C4では、トモセラピーを用いた放射線治療において、治療前の診断と治療計画の精度を重視しています。
CTやMRIを撮影する際には、がんの位置や広がりを正確に把握できるように画質や撮影条件に配慮し、それらの画像を重ね合わせて確認した上で治療計画を立てています。

放射線治療は、腫瘍に十分な線量を当てながらも正常な臓器への影響を抑えることが非常に重要です。
Clinic C4では、患者さんの体力や全身状態、これまでに受けた治療歴なども踏まえ、照射範囲や線量、回数を個別に調整しながら治療を行っています。また、トモセラピー単独の治療に固執するのではなく、治療後の経過や体調の変化を見据えながら、必要に応じて他の治療との組み合わせも検討します。

こうした考え方のもと、がんのある臓器だけでなく、全身の状態を見ながら無理のない治療計画を組み立てることを大切にしています。

Summary
放射線治療ごとの役割を知って、納得できる治療を慎重に選択

放射線治療は、その種類ごとに明確な役割があります。
広い範囲や複数の病変を対象とするトモセラピーや、頭蓋内の限局した病変に対して高線量を集中させるガンマナイフなど、がんの状態や治療目的に応じて使い分けられています。

このように、がんの場所や広がり、治療の目的によって適した治療が異なります
主治医から標準治療が難しいと告げられた場合でも、症状の緩和や病変のコントロールを目的とした治療が検討できるケースは多くあります。専門家に相談しながら、ご本人とご家族が納得できる治療を慎重に選択することが大切です。

監修
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愈光会 Clinic C4
医療法人社団 愈光会 Clinic C4

医療法人社団 愈光会 Clinic C4では、がんの進行度や転移の状況に関わらず、目に見える病変がある限り、医学的根拠に基づいた放射線治療の可能性を追求しています。
ご家族だけで答えを探し続けるのではなく、標準治療での治療が難しいがん治療のもうひとつの選択肢としてClinic C4に相談してみてください。

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当院では、標準治療で「打つ手がない」と告げられた方や身体への負担を抑えたい方の想いに寄り添い、身体に優しく、効果を追求したがん治療に最善を尽くします
もし迷われているなら、まずは今のご状況を詳しくお聞かせください。メールや遠隔診療でも柔軟に対応いたします。

略歴
  • 1980年 灘中学校、灘高等学校を経て東京大学医学部医学科卒業
  • 1980年6月 東京大学医学部附属病院放射線科研修医
  • 1981年1月 東京大学医学部附属病院放射線科助手
  • 1985年7月 都立豊島病院放射線科医員
  • 1987年4月 東京大学医学部附属病院分院放射線科講師病棟医長
  • 1988年7月 同上 英国 Royal Cancer Institute留学のため休職
  • 1989年6月 同上 復職
  • 1991年5月 東京大学医学部附属病院放射線科講師病棟医長
  • 1991年5月 放射線医学総合研究所特別研究員(重粒子線)
  • 1992年4月 東京大学医科学研究所非常勤講師
  • 1992年11月 総理府技官(放射線医学総合研究所臨床障害部)
  • 1995年7月 東京大学医学部放射線医学教室助教授
  • 2002年4月 国際医療福祉大学保健学部放射線・情報科学科教授
  • 2008年 医療社団法人 愈光会 Clinic C4設立