ステージ4の乳がんは治る?

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もくじ

ステージ4の乳がんと告げられたとき、多くの方が強い不安や戸惑いを抱えます。
「この先どうなるのか」「治療は続けられるのか」と悩むのは、ご本人だけでなくご家族にとっても自然なことです。
完治が難しいとされる段階であっても、近年は治療の進歩により、進行を抑えながら症状や生活の質に配慮した治療が検討されています。

本ページでは、ステージ4の乳がんの治療の考え方と選択の視点を分かりやすくお伝えします。

ステージ4の乳がんが治る
可能性はあるのか

ステージ4の乳がんは、がんが離れた臓器へ転移している状態で、治癒(完治)を目指す治療が難しい段階とされています。
国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果によると、ステージ4乳がんの5年実測生存率は39.2%、10年実測生存率は16.1%と報告されています。

参照元:国立がん研究センターの院内がん登録生存率集計結果(https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search)
上記URLより乳癌ステージ4で検索、2015年~5年実測生存率、2012年~10年実測生存率の数値。実測生存率は、死因に関係なく、すべての死亡を計算に含めた生存率です。

乳がんは治療の選択肢が比較的多く、病状や治療への反応に応じて療養を継続できるケースもあります。
治療の目的は、腫瘍の進行を抑えて症状をコントロールしながら生活の質(QOL)を保つことに置かれます。治療方針は、がんのタイプや体調、治療への反応を踏まえて総合的に検討されます。

ステージ4の乳がんに対して
行われる治療の種類

化学療法(抗がん剤治療)

化学療法は、抗がん剤を用いて全身に広がったがん細胞の増殖を抑える治療です。
ステージ4の乳がんでは、比較的多くの症例で選択されます。副作用として吐き気や倦怠感、脱毛などがみられることがありますが、近年は副作用を軽減する支持療法の進歩によって治療を継続しやすくなっています。

ホルモン療法

乳がんの中には、女性ホルモンの影響を受けて増殖するタイプがありますが、その場合はホルモンの働きを抑えるホルモン療法が選択されます。
比較的副作用が軽いとされる薬剤もあり、長期にわたって治療を続けやすい点が特徴です。

分子標的薬・免疫療法

がん細胞が持つ特定のタンパク質などの分子を狙って作用する分子標的薬は、乳がんの治療においても重要な選択肢の一つです。
HER2陽性乳がんなど、がんの性質に応じて使用されます。一部の症例では免疫療法(免疫チェックポイント阻害剤)が検討されることもあります。これらの治療は従来の抗がん剤とは異なる作用機序をもち、治療効果や副作用の現れ方にも個人差があります。

放射線治療

放射線治療は、転移した部位の痛みや圧迫症状を和らげる目的で行われます。
骨転移や脳転移など、症状が生活に大きく影響している場合に検討されることが多く、局所の症状を抑えることで日常生活を保ちやすくします。また、全身治療と併用して行われることもあります。

緩和ケア

ステージ4の乳がんでは、治療の内容にかかわらず、早い段階から緩和ケアを取り入れることが重要です。
痛みや疲労感、不安、食欲低下などの症状に対して適切な対応を行うことで、長く治療を続けやすくなります。

青木幸昌院長
青木幸昌院長
院長より
患者さんの状態によって、
放射線治療の適否や線量を検討します

標準治療ではがんの種類別の治療方針は明確に決まっています。
Clinic C4での治療においては、がん種による方針に差はありません。
患者さんの全身状態および画像診断上の担癌状態(身体にがんが存在している状態)に依存して、照射の適否や投与可能な線量が決定されます。

ステージ4の乳がんが
転移しやすい場所

ステージ4の乳がんは、乳房や周囲のリンパ節にとどまらず、離れた臓器への転移が確認されている状態です。
転移する場所によって現れる症状や治療が異なるため、転移部位を正確に把握することが重要です。

血行性転移

血行性転移とは、がん細胞が血液の流れに乗って別の臓器へ移動する転移を指し、乳がんでは、骨や肺、肝臓、脳への転移が比較的多くみられます

  • 骨への転移…腰や背中、関節の痛みが出やすく、進行すると骨折のリスクが高まることがあります
  • 肺への転移…咳や息切れ、胸の違和感などが現れます。
  • 肝臓への転移…倦怠感や食欲低下、腹部の張りなどの症状がみられます。
  • 脳への転移…頭痛や吐き気、しびれ、意識障害など、神経症状が出現することもあります。

血行性転移が確認された場合、治療の中心は全身に作用する薬物療法が行われます。
症状が強い部位に対しては放射線治療を併用し、痛みや神経症状を和らげることも検討されます。

リンパ行性転移

リンパ行性転移とは、がん細胞がリンパ管を通ってリンパ節へ広がる転移を指します。
乳がんでは腋の下(腋窩リンパ節)や鎖骨の周囲、胸の中央部にあるリンパ節へ転移するケースが多くみられます。

初期には自覚症状が少ない場合もありますが、リンパ節が大きくなることで腕のむくみやしびれ、違和感などがみられます。
進行すると周囲の神経や血管を圧迫し、症状が強くなっていく場合もあります。リンパ行性転移がある場合も、薬物療法を基本としながら局所の症状に対する放射線治療が検討されます

転移部位によって
治療の目的が変わることもある

ステージ4の乳がんでは、転移の数や部位、症状の程度によって治療の目的や進め方が変わります。
全身治療によってがんの進行を抑えることを基本としつつ、症状が生活に影響している部位には局所治療を組み合わせることで、生活の質(QOL)の維持を目指します。

ステージ4の乳がんでも局所を
狙った治療は検討できる

ステージ4の乳がんでは、全身に作用する薬物療法が治療の中心になりますが、転移した部位が限られている場合や、特定の病変が強い症状の原因となっている場合は局所を狙った治療も検討されます。その代表的な方法が放射線治療です。

放射線治療は、腫瘍に放射線を照射し、がん細胞の増殖を抑えることが目的です。骨転移による痛みや脳転移による神経症状など、生活に支障をきたす症状の軽減が期待できます。近年では、画像診断技術の進歩によって高精度な放射線治療が行われるようになりましたが、そのひとつが「トモセラピー」です。CT画像を用いて腫瘍の位置や形状を詳細に確認しながら放射線を照射する治療法で、複数の方向から放射線を当てることで周囲の正常な組織への影響を抑えつつ、腫瘍に十分な線量を集中させることが可能です。

このような局所治療は、薬物療法と並行して行われることも多く、全身治療を続けながら症状の改善や局所制御を目指します。治療が適しているかどうかは、転移の数や部位、全身状態などを踏まえて慎重に判断されます。

相談先の選び方

ステージ4の乳がんは、治療の選択肢が多岐にわたるため、医療機関の選び方が治療の内容に大きく影響します。
重視したいのは、次のポイントです。

  • 再発や転移を含む進行乳がんの治療経験が十分にあるかどうか
    進行した段階の症例に対応している医療機関であれば、病状に応じた現実的な治療方針を提示してくれるでしょう。
  • 画像検査や病理検査の結果をもとに、治療内容を丁寧に説明してくれるか
    転移の場所や数、症状の程度を正確に把握することで、全身治療と局所治療をどのように組み合わせるかを検討しやすくなります。
  • 通院のしやすさや、医療者と相談しやすい環境かどうか
    治療が長期に及ぶことを想定すると、無理なく治療を続けられる相談先を選ぶことが、治療と生活を両立させる上での支えになります。

治療の選択肢が複数ある場合には、セカンドオピニオンを受けられる医療機関に相談することも有効です。別の視点から治療の考え方を整理できる場合があります。

Summary

ステージ4の乳がんは、治癒をめざすことが難しい段階ではあります。しかし、薬物療法を中心に治療を継続し、必要に応じて放射線治療による局所制御を組み合わせることで、症状の軽減や生活の質の維持が期待できる場合も多くあります

治療の目標や優先したいことは、その時々の状況によって変わります。医療者と相談しながら、ご本人の思いを尊重しつつ今の生活に合った治療やサポートを一緒に考えていくことが、ご本人にとってもご家族にとっても大切な支えになるはずです。

監修
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愈光会 Clinic C4
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医療法人社団 愈光会 Clinic C4では、がんの進行度や転移の状況に関わらず、目に見える病変がある限り、医学的根拠に基づいた放射線治療の可能性を追求しています。
ご家族だけで答えを探し続けるのではなく、標準治療での治療が難しいがん治療のもうひとつの選択肢としてClinic C4に相談してみてください。

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略歴
  • 1980年 灘中学校、灘高等学校を経て東京大学医学部医学科卒業
  • 1980年6月 東京大学医学部附属病院放射線科研修医
  • 1981年1月 東京大学医学部附属病院放射線科助手
  • 1985年7月 都立豊島病院放射線科医員
  • 1987年4月 東京大学医学部附属病院分院放射線科講師病棟医長
  • 1988年7月 同上 英国 Royal Cancer Institute留学のため休職
  • 1989年6月 同上 復職
  • 1991年5月 東京大学医学部附属病院放射線科講師病棟医長
  • 1991年5月 放射線医学総合研究所特別研究員(重粒子線)
  • 1992年4月 東京大学医科学研究所非常勤講師
  • 1992年11月 総理府技官(放射線医学総合研究所臨床障害部)
  • 1995年7月 東京大学医学部放射線医学教室助教授
  • 2002年4月 国際医療福祉大学保健学部放射線・情報科学科教授
  • 2008年 医療社団法人 愈光会 Clinic C4設立